4歳半になる息子は高機能自閉症スペクトラムと診断されています。
公園って、遊具で遊ぶ場所だと思っていました。
けれども、わが家の兄妹は少し違う。
遊び方や“世界の入り方”に独特のリズムがあって、
そんな兄がこの世のすべてみたいな妹は、当然のように兄の遊び方一択になる。
今日も“ふたりだけの世界”で遊んでいます。

独特な公園遊びのお話をしていきます!
遊具には見向きもしない兄妹
わたしは毎回、公園をちゃんと調べて選んでいるんです。
長い滑り台、ターザンロープ、芝生広場。
どれも「ここは楽しそう!」と思って連れて行きます。
けれど、到着したと同時にふたりは目の前に大きな複合遊具があっても
公園の“フチ”へ向かって迷いなく走っていきます。
そしてそこで枝と砂を右から左へ運び始める。
落ち葉を拾って、比べて、並べて、また運ぶ。
これが、ふたりの世界の本編。
“枝と砂の大冒険”が始まります。
楽しそうに遊具で遊ぶ声を背中で感じながらフチで静かにふたりをひたすら見守る。
でも本人たちは真剣そのもので、世界がそこで完結していてわくわく楽しそう。



正直、今の私は調べている時がピークに公園で遊んでいる姿を想像してワクワクしています。
ASDの特性ゆえの「遊びの深さ」
高機能ASDの息子は、興味のあることに驚くほど集中します。


枝や砂のように“形が決まっていないもの”は、
想像をどこまでも広げられるため
とても相性がよく研究対象として永遠に遊べるようです。
同じ動作を繰り返しているようにみえて
ちゃんとストーリーがあり、
やり込み要素を見出している。
そんなところが息子らしさだと私は思っています。
そして、この世は兄だけでいいほど信者の妹は
兄の世界観にまるごと入っていきます。
今日もまたふたりだけのストーリーがそこで作られていくのを見守ります。
親として悩む日もある。
「遊具で遊んでほしいな」と思う日もあります。
「他の子と違うのかな」と不安になる日もあります。
わたしも、息子が高機能自閉症の診断を受けるまでは違和感を感じてざわざわし、
診断を、受けてからはやっぱり診断がついたからと公園に行くたびに心がザワッとしていました。
周りの子が元気に遊具に走っていく。
その中でうちの兄妹はひたすらフチで同じ動きを繰り返しています。
その光景が胸に引っかかったことは数え切れません。
“この遊び方って大丈夫なのかな?”
“どう関わればいいんだろう?”
そんな気持ちを抱えるお母さんもきっとたくさんいると思います。



他の子と比べるつもりはないのに比べてしまって苦しくなる日ももちろんありました。
でも今は、この世界観がたまらなく好き
診断がついて、息子の特性を知って、向き合って、寄り添って。
そこで気づいたことはたくさんありました。
遊び方が変わっているんじゃない。
世界への入り方が、この子なりに深いだけ。と。
ふたりが枝ひとつでストーリーを作り
砂ひと握りで時間を忘れて没頭する姿を見ているとこの世界観がすごく貴重だと思えてきたんです。
遊具で遊ぶために公園に行くのではなく、
我が子が笑顔で夢中になって遊べる場所として公園へ行く。



これがわが家の“正解”なんだと思うようになったんです。
まとめ
今日もフチの兄妹は冒険中です。
次の休みもきっとわたしは公園を調べています。
そして兄妹はフチに座り、枝と砂の世界で冒険する。
遊び方が独特でも、人と違って見えても
それで困っていなくて、本人たちが幸せなら
それで十分ではないでしょうか。
今、発達が心配でたまらないお母さんもたくさんいらっしゃると思います。
その葛藤ももちろん大切な時間で悩むことが悪ではないと思います。



私はこの時間こそが全部宝物で特別と信じています。










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